産業医科大学 産婦人科学
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早期子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術
早期子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術

早期子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術について
過多月経とは

 当院では2015年10月から先進医療として、早期の子宮頸癌(ⅠA2期・ⅠB1期・ⅡA1期)に対し、腹腔鏡下広汎子宮全摘術を行って参りました。2018年4月から一定の条件を満たした施設のみ保険診療として行うことが可能となりました。当院は認定施設の一つです。

 従来の開腹手術を腹腔鏡で行うことにより、手術創(傷)が小さく美容的に優れ、術後の疼痛緩和・癒着が防止され、早期離床や早期退院が可能となります。
 高度の癒着がある場合、出血量が多くなった場合など腹腔鏡手術での実施が困難と判断される場合には直ちに従来の開腹手術に変更となります。また開腹術でも同様ですが、術後に炎症などにより膀胱、尿管、腸、腟に異常が生じ、再手術が必要なこともあります。
 腹腔鏡特有の合併症として頻度は低いですが、空気塞栓症、皮下気腫、術後の首や肩の痛み(数日間)が生じることがあります。

適応

早期子宮頸癌(IA2期、IB1期またはIIA1期)
 子宮頸癌とは、子宮頸部(入り口)に発生する癌であり、腟や膀胱・直腸に浸潤し、リンパ節や肺などその他の臓器に転移していく病気です。子宮頸部の腫瘍が4cm以下で膣壁の下方1/3まで病巣の広がっていないものをⅡA1期と表します。
現在、当院では原則として最大腫瘍径が2cm以内の場合を適応としています。

過多月経

【重要】
2018年3月に、米国を中心に13か国・33施設が参加し実施されていた大規模ランダム化比較試験(LACC試験)において、早期子宮頸癌に対する腹腔鏡下またはロボット支援下の広汎子宮全摘術は開腹広汎子宮全摘術よりもがん治療としての臨床成績が劣るという論文が掲載されました。
その理由は明らかになっていませんが、LACC試験における手術手技や研究デザイン上の課題が指摘されているため、日本産科婦人科学会は、2019年1月に「LACC試験の結果をもって全ての子宮頸癌に対する低侵襲手術群の有効性が完全に否定されたと結論付けることはできない」との考えを示しました。その原因については現在精査されているところです。

外来受診の仕方

腹腔鏡下広汎子宮全摘出術をご希望の方は、毎週主に火曜日(婦人科初診受付日)に、現在受診中の主治医の先生から紹介状を持って受診して下さい。

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