産業医科大学 産婦人科学
産業医科大学 産婦人科学

産科 無痛分娩について
産科
無痛分娩について

無痛分娩について
無痛分娩について

当院では、妊婦さんご自身による希望による無痛分娩、医学的な理由による無痛分娩を行っております。


無痛分娩とは?

無痛分娩は、薬剤を用いて分娩時の痛みを和らげる方法です。
様々な方法がありますが、当院では背中からの麻酔で分娩を行います。

無痛分娩のながれ

当院では硬膜外カテーテルを用いた麻酔で無痛分娩を行います。陣痛が発来する前にあらかじめ麻酔科医により腰部に局所麻酔を注射し、硬膜外カテーテルを挿入します。鎮痛開始のタイミングは分娩の進行の程度を確認し医師が判断します。カテーテルから鎮痛剤が投与され、陣痛の痛みを和らげます。麻酔薬を注入してから陣痛の痛みが軽くなるまで、20~30分程度かかります。分娩終了までカテーテルより麻酔薬を適宜投与します。産後は無痛分娩をしない場合と同様です。

無痛分娩のメリット

・痛みの軽減:無痛分娩は、陣痛時の強い痛みを軽減することができます。これにより、分娩の過程がより快適になる可能性があります。
・ストレス軽減:痛みの軽減は、分娩時の母親のストレスを軽減するのに役立ちます。リラックスした状態で出産に臨むことができるため、母親と赤ちゃんの健康にも良い影響を及ぼすことがあります。
・疲労軽減:陣痛は体力を消耗するものであり、無痛分娩により母親はより多くのエネルギーを保存できます。
・出産の進行:痛みが軽減されることで、母親が陣痛に対して積極的に対応できるため、出産の進行がよりスムーズになることがあります。

無痛分娩のデメリット

・合併症:硬膜外麻酔による無痛分娩は多くの妊婦さんにとって安全に行うことができます。しかし、別項目に示すような合併症が起こる可能性があります。
・出産プロセスへの影響:無痛分娩が進行中の出産に影響を及ぼすことがあります。痛みの感覚が軽減されるため、分娩の自然なプロセスを感じにくくなる場合があります。
・出産方法の制約:一部の場合では、無痛分娩が適していないことがあります。母親の健康状態や胎児の位置など、特定の条件下では使用できないことがあります。
・長時間の陣痛:無痛分娩が進行中の陣痛が長引くことがあるとされていますが、その効果は個人差があります。
これらのメリットとデメリットは、個人の状況や選択によって異なる場合があります。無痛分娩については、医師とよく相談し、リスクと利益をよく理解した上で判断することが重要です。
無痛分娩を希望される方は、原則陣痛発来前に入院いただき、管理分娩を行います。予定入院以前に陣痛が発来した場合には無痛分娩の対応が難しい場合があります。
無痛分娩の方法は、妊娠の進行状況や母体の状態によって異なる場合があります。医師や助産師と相談し、個別のケースに合わせた最適な方法を見つけることが重要です。

無痛分娩の安全性と副作用について
安全性ついて

安全性ついて

当院では、「『無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言』に基づく自主点検表(厚生労働省)」にしたがい、安全な無痛分娩を提供しています。
硬膜外麻酔による無痛分娩は適切なケアと専門知識を持つ医療プロフェッショナルによって管理される限り、安全性が高いと考えられています。
当院では重大な副作用が起こることがないよう、麻酔科医、産科医、助産師が協力して、安全な無痛分娩を行える体制を整えています。

合併症について

硬膜外麻酔による合併症として、以下のようなことがあります。
低血圧、分娩中の発熱 、頭痛、背部痛、下肢のしびれや麻痺 (永続的なものは約25万人に一人と非常にまれ)、アレルギー、硬膜外血腫、硬膜外膿瘍、全脊髄くも膜下麻酔、局所麻酔薬中毒など。詳しくは、麻酔科医の説明をお聞きください。
当院は母体の様々な病気の検査や治療を担当する診療科、新生児科を持つ総合病院です。母児の急変があったときには産科だけでなく他科と協力して院内で適切な対応を行います。

ご希望の方へ
ご希望の方へ

無痛分娩を希望される場合は、産婦人科外来等で担当医師、または助産師にご相談ください。妊娠後期に入ると麻酔科の外来を受診していただきます。正期産の時期に入ると外来で子宮頸管の熟化の程度を確認して入院のタイミングを決定し、陣痛発来前にカテーテルを留置します。
※分娩の進行が急な場合、入院予定前に陣痛が発来した場合などは、予定通り無痛分娩を行えないことがあります。

無痛分娩の費用
無痛分娩の費用

費用

当院では分娩費用に加えて10万円の費用が発生します。

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