産業医科大学 産婦人科学
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ロボット支援下手術(ダ・ヴィンチ手術)について
ロボット支援下手術(ダ・ヴィンチ手術)について

ロボット支援下手術(ダ・ヴィンチ手術)について
過多月経とは

ロボット支援下手術とは

 2018年4月に子宮良性腫瘍(子宮筋腫)と子宮悪性腫瘍(初期子宮体がん)に対するロボット支援下手術が保険収載され、当院産婦人科でも2019年6月から上記婦人科疾患に対してロボット支援下手術(ダ・ヴィンチ手術)を導入しています。導入に当たっては、学会の定めるガイドラインに従い、実施するチームとして他施設の見学などを行い、診療科カンファレンスでの検討、医療安全管理部及び病院倫理委員会での審査・承認を経ています。
 鏡視下手術(腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術)は従来の開腹術に比較して手術創(傷)が小さく美容的に優れているのみならず、術後の疼痛が緩和され、出血量が少なく、在院日数も短い傾向にあります。

ロボット支援下手術の実際

 手術は全身麻酔下に行い、良性腫瘍手術時間が3~4時間(麻酔時間を含めると4~5時間)、悪性腫瘍手術時間が約5時間(麻酔時間を含めると6~7時間)です。入院期間はおよそ術後3~5日です。手術方法としては、腹部5ヶ所に8mmの創(傷)をおきトロカーを挿入し(図1)、ダ・ヴィンチシステムのドッキングを行います。トロカーからカメラおよび鉗子を入れ、術者がサージョンコンソールと呼ばれる装置(ロボットを操作する機械)にて3次元画像で確認しながら繊細な操作で手術を行います(図2)。

図1 ロボット支援下手術の創(傷)
図1 ロボット支援下手術の創(傷)

図2 ダ・ヴィンチ手術
図2 ダ・ヴィンチ手術

対象となる疾患について

 子宮良性腫瘍(子宮筋腫)と子宮悪性腫瘍(初期子宮体がん)が治療対象疾患です。初期子宮体がんにおいて対象となる方は腹腔鏡下手術と同様に①組織型が高分化型または中分化型の類内膜癌②MRI検査で癌の筋層浸潤が1/2以下③全身CT検査でリンパ節転移や遠隔転移がない④患者への十分なインフォームドコンセントが得られていることです。

ロボット支援下手術の利点と欠点について

 ロボット支援下手術は鮮明かつ10倍に拡大された3D画像、人の手以上に器用な動きが可能なロボットアームを用いることにより、従来の手術である腹腔鏡手術や開腹による良性・悪性腫瘍摘出術よりも精度の高い手術が可能です。欠点としては①手術時間が長くなる②気腹による合併症がある③術野を確保するために頭を低くするために(頭低位)、術後に肩痛などが発症することがあるなどがあげられます。

費用について

 手術費用は腹腔鏡下手術料金と同額です(子宮筋腫:腹腔鏡下腟式子宮全摘術 約42万円 子宮体がん;腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術 約70万円)。自己負担額はこの3割で別に入院費などがかかります。

外来受診の仕方

 ロボット支援下手術をご希望の方は毎週火曜日・木曜日が婦人科初診受付日となっています。
できれば、現在受診中の主治医の先生に紹介状を作成してもらい当科を受診してください。

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